裏切りの街

髙木雄也くん主演舞台の「裏切りの街」を観てきました。
事前に把握していた情報は、クズ、裸、尻の3点でした。

ええ、クズでしたとも！

JUMPきってのけだるいセクシーが似合う男・髙木雄也が人妻と不倫する役と聞いたら観にいくしかない。ということで3/20に新国立劇場の公演に入ってきました。

冒頭からマッチングアプリで女を物色する裕一（ゆうやの役）。いきなり飛ばしてるなと。そこから人妻とマッチングして会うけどすぐ解散。舞台上方にスクリーンがあるんだけど、そこにモザイクかかった女性の顔と喘ぎ声のようなものが映る。なに？と思ったらゆうやが舞台の端で下半身丸出しでハアハアしていた。いきなり尻が出た！？と脳の処理が追い付かないまま暗転…。心の準備ができていないうちから尻が出たから度肝を抜かれてしまった。

裕一、事前にクズだとは聞いていたけど、もっと「かっこいいけどだらしない」みたいなキャラを想像していました。でもそんなもんじゃなかった。
まず姿勢がめちゃくちゃ悪い。ものすごく猫背。それでいて口調もコミュ障の喋り方に不快さをトッピングした感じで、へへっ…みたいな笑い方も気持ち悪い。服もよれよれです。陰気なオーラを纏っています。顔とスタイルは確かに髙木雄也なんだけど、裕一全くかっこよくないんですよ。みんな言ってるけど全然ゆうやに見えない。本人は陽キャサイドの人じゃないですか、なのに陽の明るさ消してるから凄い。
カテコの最後の最後にはける直前に客席に向かってにこっと手を振る姿だけがJUMPの髙木雄也くんだった。
でも公式で載ってる場面写真は「演技してる髙木雄也くん」に見えるんだよね。静止画ではあのなんとも言えないクズ感は伝わりきらない…！

裕一は細部のクズ解像度も高い。細かい「クズあるある」の積み重ねによるリアリティが凄いんですよ。突然「明日からがんばる！」みたいに彼女に宣言するところとか、不倫してることが彼女にばれたことを知って人妻の膝で「うわ～んやだよ～！」みたいになってるところとか。本当にクズだな～！あと昼間から彼女のPCでエロ動画を見すぎだよ！普段はクズだけど一発いいところを見せたとかじゃなくて最初から最後まで一貫してクズなので潔いです。

クズクズ言ってるけど登場人物みんなクズなんですよね。美化はされてないし突き抜けているので私は不快感はなかった。でも上にも書いたけど裕一って髙木雄也のガワでもそれ以外のマイナスが大きく上回るキャラなので、なんで彼女はこんなの養ってるんだろうとは思った。売れてないお化粧バンドマンを飼ってる子みたいなものなのかな。
裕一は全てがクズエピだけど、彼女に化粧しろよとか服がださいとか文句を言って、「裕ちゃんが生活費入れてくれたらもっと自分にお金使えるんだけど」みたいなことを返されたの正論すぎた。ほんとだよ生活費入れろよ笑
でもそのあとに「バイト探すから！」とか言い出した裕一に「それはどっちでもいいから」とか言っちゃう彼女もヒモ製造機なのかもしれない。

話題の濡れ場はおそらくJUMPの暫定最高値を出したんじゃないでしょうか。先に騒がれてるのを見てたので、思ったほどすごくはなかったんですけど、JUMPでここまでやる人がついに出てきたかというのはある。でも、濡れ場とか脱いだことよりも役のキャラクターの方が私は衝撃だったな。今回痩せてるから足細いなーと思って見てたし、裸の後ろ姿もきれいでしたけど。今回ゆうやのスタイルの良さを再確認した。腰の位置高いとかは該当担がいつも言ってるし知ってたけど、顔の小ささに驚いた。普段は同じく小顔の人が横に立ってるから気づけてなかった。

公演情報を全然入れてなかったので、智子は代役で呉城久美さんが演じていた…というのを幕間に友達から教えてもらって知ったんですけど（ポスターと女優さんが違うような気はしていた）キャスト変更発表から初日まで日にちがない中で違和感なく演じ切るプロの仕事。しかも本来の智子の妹役って全然タイプの違うキャラ。女優さん凄い。
もう一つ、智子が最初に赤いワンピースで現れるシーンで、出てきただけで「この人30代ではないな」って客席に伝わるじゃないですか。でも呉城さんは30代で、ご本人の姿ならたぶん31歳トモで全然いけるんですよね。だけど舞台の上では最初から最後まで40代人妻にしか見えなかった。不思議！これも役者さんのプロの技なんだろうね。
3/23から奥貫さんが復帰されるとのことなので、そっちの配役も観てみたかった！また智子と妹の雰囲気違うんだろうな。

あととろサーモン村田さん演じる智子の夫が絶妙にいや～な感じだった。わかりやすいはっきりしたモラハラじゃないんですよね。ニュアンスでいや～な感じが醸し出されている。村田さん演技がとてもうまい。

ところでこの手の空気感の作品ってなんで高確率で中央線沿いの中野杉並吉祥寺あたりが生活圏なの？ｗｗ中央線だから久我山とかは出てこないし三鷹や大久保にはみ出すこともない。出そうで出てなかった高円寺が終盤に満を持して登場したのは面白かった。

自担出てないのにすごく爪痕を残された舞台だった…。演技の上手な方ばっかりだし、これはまた髙木雄也くんの大きな経験値になるんだろうな。私はこれまでのミュージカルとか全然行けてなかったのもあって、いつのまにこんな別人を演じきれる実力を…！！と驚かされました。繰り返すけどもとの本人の雰囲気消してますからね。裏切りの街を経験したゆうや強すぎるし、こんな雰囲気を出せるのは大きな武器だよ～！

不倫するゆうやが見たいという不純な動機でチケットを取ったけど、裏切りの街を観に行けてよかったです！！
ちなみに7列で入ったんだけど、段差の始まりが7列でとても見やすかった。全体も視界に入れられるし良い席だった！